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ナイト・フライヤー/S.キング他(本)

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新潮文庫より『ナイト・フライヤー』のご紹介。モダンホラー作家の短編が13個収録されてます。100円で購入出来てお得でした。

収録作品↓

スティーヴン・キング「ナイト・フライヤー」
ポール・ヘイズル「昼食に女性を」
デニス・エチスン「血の口づけ」
クライヴ・バーカー「魔物の棲む路」
トマス・テッシアー「餌」
M・ジョン・ハリスン「パンの大神」
デイヴィッド・マレル「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」
ピーター・ストラウブ「レダマの木」
チャールズ・L・グラント「死者との物語」
トマス・リゴッティ「アリスの最後の冒険」
ラムジー・キャンベル「このつぎ会ったら」
ホイットリー・ストリーバー「プール」
ジャック・ケイディ「暗黒を前にして」



とても印象に残ってるのが、『呪われた町』とはまったく別の角度から吸血鬼の恐怖を描ききった表題作「ナイト・フライヤー」と、ブラム・ストーカー賞に輝いた多分この中では一番知名度の高い、画家ファン・ドールンの絵に纏わる物語「オレンジは苦脳、ブルーは狂気」、そして小説全体から陰湿で倒錯的な性の匂いがあふれ出てくる「レダマの木」あたりです。


表題作「ナイト・フライヤー」は地方の小空港で起きる連続殺人の物語。セスナ機を駆り、遺体から血をすべて抜き取る連続殺人鬼「ナイト・フライヤー」を追う記者がラストで経験する恐怖は今作品13作のなかでも最も心に残るハイライトとなっています。82ページからは文字通り手に汗を握って読んでいました。ここら辺は流石帝王といったところでしょうか。問題はそこまでの展開が若干ぐだることなのですが、なんにせよこのラストは必読といっていいと思います。映像化もされてるらしいですが、そちらは未見。

「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」は総合的に今回の収録作品の中で最も楽しみました。ファン・ドールンという狂気の画家が描いた絵に主人公の友人がハマり、絵の秘密を解明していくのと比例して次第に狂気に侵されていく過程にぞくぞくします。ただその絵の秘密の解明の中で出てくる設定が少しSFじみすぎているというか、超自然的すぎるというかで、その一段階前の絵のコード解明で既に具体的かつ身の毛も弥立つ描写が完成しているというのに、なんか蛇足すぎる気がしました。普通に面白かった漫画がただの超能力バトル漫画になり果ててしまいました的な。


「レダマの木」はグロいです。スプラッター的な意味ではなく。一般人となじめない少年が、映画館で一人の変態と出会い、彼の性的な玩具にされることは分かっているのになぜかそこに赴き続ける…作品全体を覆う強烈に湿っぽいフェティッシュな世界観がきついです。しかしこれはホラーなのだろうか。


定価は640円なのですが、それでこれだけの内容だからまあ十分だと思います。とはいえ殆どの作品がかなり難解な上に一筋縄ではいかない内容なので、多分楽しめない人は全く楽しめないでしょう(自分が好きな上三つはおそらく分かりやすいのから順に三つだ)

なにげに編者ダグラス・E・ウィンターの序文がものすごいいいです。ホラー小説、その歴史について書いてるのですが彼の並々ならぬ情念が伝わってくるようで相当面白いです。20ページだけなのにホラー作品の歴史を概観できてしまう…は言いすぎですが、かなりそれに近いくらいに楽しめます。あれ、一番楽しんだのこれじゃね?



「人類の最古で最強の感情は恐怖である」 - H.P.ラヴクラフト
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只今の一曲:Folkfuck Folie/Peste Noire↓
Youtube
フランス産ブラックメタル。時折炸裂する不穏なメランコリー性の虜になる。ラヴクラフトに合いそうだ。
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zita

Author:zita
東京在住。音楽、読書、映画、ドラム、お絵かき、廃墟が好き。趣味は広く広くを目指して。好きなものは深く深くを目指して。

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